大学のシステムをクラウド化!その効果と利用する課題とは?

近年では教育分野でもIT化が進んでおり、大学でもシステムをクラウド化するところが増加しています。システムをクラウド化することで、学術データの管理が簡単になったり学生が利用するサービスの利便性が高まったりとメリットが多いです。

そこでここからは、大学のシステムをクラウド化した場合の効果と導入するときの課題をご紹介します。大学のシステムをクラウド化することによる効果は大きいので、ぜひこの記事を読んで検討してみてください。

1、大学のシステムのクラウド化で期待できる効果とは?

大学のシステムのクラウド化で期待できる効果とは?

近年では、教育分野でもIT化が進んでおり大学でもシステムのクラウド化が進んでいます。文部科学省が発表している学術情報基盤実態調査(平成30年度)によると、国公立大学・私立大学を含んだ大学の中で情報システムをクラウド化しているところが全体の87.8%とかなり高い数字となっています。

このように、現在多くの大学でシステムのクラウド化が進んでいます。そこでここからは、大学のシステムをクラウド化することで期待できる効果をご紹介していきます。

1-1、サーバー等の保守・管理費の削減

大学でシステムのクラウド化が進んでいる理由として、サーバー等の保守・管理費が削減できるというものがあります。大学では業務システムが多く使用されており、そのすべてを管理するには大規模な設備が必要です。

大規模な設備を保管する場所も必要になりますし、不具合が発生しないように保守作業を行う人員も確保しなければなりません。しかし、こうしたシステムをクラウド化することでサーバー等の設備を置くスペースも不要となり、管理・保守を行う必要もなくなります。

このように、システムをクラウド化することで、システムの維持にかかる人員やコストを削減することが期待できます。

1-2、災害時の事業継続性の向上

大学のシステムをクラウド化することで、災害時でも事業を継続して行うことができるようになります。従来のシステムでは、保存されているデータは大学で管理しているサーバーに保管されているので、災害が発生してサーバーが故障した場合には、データが損失する可能性もあります。

また、サーバーやその他設備が故障した場合にも、代替の設備を設置するのに時間と費用がかかるため、事業の継続が困難となりえます。

しかし、システムをあらかじめクラウド化しておくことで、万が一災害が発生して大学が被害を受けてもデータは保護することができますし、事業の再開も早期に行うことが可能です。

クラウドサービスはデータをデータセンターに収集して管理しているのですが、データセンターは非常に災害に強い場所・設備の中にあります。そのため、大学内のサーバーで管理するよりも安全性の高い場所でデータを保管することができるのです。

最近では災害が多く発生しており、今後も災害対策は大学側に求められます。災害対策の一環としてシステムのクラウド化という方法があることは理解しておかなければなりません。

1-3、利便性を向上させてサービスの効果を高める

大学のシステムをクラウド化することで、利便性を向上させてサービスの効果を高めることが期待できます。大学ではさまざまなシステムが導入されており、職員のメールの管理・研究データの管理、学生の個人情報の管理など仕事の効率化のためにシステムが利用されています。

こうしたシステムをクラウド化することで、より利便性が向上して使いやすいサービスにすることができます。例えば、大学ではたくさんの学術データを扱っていますが、こうしたデータも紛失することのないように安全に管理する必要があります。

そうした場合に、クラウド上で資料を保管しておけば万が一災害などが起こっても貴重な学術データを守ることが可能です。また、学生にもメリットがあり、サービスによってはクラウド化することでインターネット環境があれば利用することができます。

このように、大学のシステムをクラウド化することで、システムの利便性と効果を高めることが期待できます。

2、大学のシステムをクラウド化するうえでの課題

大学のシステムをクラウド化するうえでの課題

大学のシステムのクラウド化はかなり進んでいますが、まだクラウド化していない大学があるのも事実です。では、導入しない大学があるのはなぜなのでしょうか?実は導入していない大学にはそれぞれ導入を見送っている理由があるようです。

そこでここからは、大学のシステムをクラウド化するうえでの課題を確認していきます。

2-1、信頼性&セキュリティ面の不安

大学のシステムをクラウド化するときの課題として、信頼性とセキュリティ面での不安があります。クラウド化するということは外部からの不正アクセスのリスクも生まれるということです。

大学で管理しているシステムでも不正アクセスのリスクはありますが、クラウドの方がインターネットに接続して利用するので不特定多数の人に情報が見られるリスクはあります。

実際には、クラウドサービスもかなりセキュリティ対策をしっかり行っているので不正アクセス被害にあう可能性はそこまで高くないのですが、セキュリティ面の不安や信頼性の問題からクラウド化をためらっている大学もあるようです。

2-2、クラウドにシステムを移行する初期費用

大学のシステムをクラウド化する際の課題として、データを移行するときの初期費用の問題があります。大学では経営していく上での予算が決まっており、システムをクラウド化するのに必要な費用が用意できないことも考えられます。

最近では、移行費用が安いサービスなども出てきていますが、それでも大学のシステムとなると種類や規模が大きいので費用が多くかかる可能性も。クラウド化を検討するときには、一部のシステムからクラウド化するなど予算を考慮しつつ計画を立てて実行することが大切です。

3、まとめ

ここまでで、大学のシステムをクラウド化した場合の効果とクラウド化する課題についてご紹介しました。大学のシステムをクラウド化することで、従来のシステムを運用するコストを削減したり、災害時に備えてデータをバックアップしたりとメリットがたくさんあります。

その一方、セキュリティ面での不安や導入するのにコストがかかってしまうという現実もあるため、導入を見送っている大学もあります。しかし、全体を見てみるとメリットが多く、大学の中にもシステムをクラウド化するところが増えています。クラウド化をするときには予算などを検討しつつ、計画を立てて実行してみてください。

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